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那天

ゲームとか本とか好きなおたくが好きなものについて語るブログです。

好きなゲームのラスボス曲について

こんにちは、ラスボス曲を視聴するのが趣味のものです。

 

ラスボス曲に限らず、物語を彩るゲーム音楽というものが好きなのですが、やはりその中でも特に、物語の最後、ラストボスとのバトル曲が好きです。

ゲームの中でどういう道程を歩んできたのか、相手はどんな敵なのか、主人公はどんな気持ちでそのラスボスに相対するのかが曲の中に詰め込まれているんですよ、どうやったって熱い!!

今までのシナリオすべてを使ってぶん殴ってくる瞬間の!BGM!!積年の思いが果たされるのかもしれないし、戦いたくない相手なのかもしれない。あんまり褒められた楽しみ方ではないとは思うんですが、やったことのないゲームのラスボス曲を先に聴いて、エッなにこれどういうお話なの?と気になってはじめることがしばしばあります。

 

で、数年前に聴いて、度肝を抜かれたのが

レベルファイブダンボール戦機無印のラスボス曲、「希望と絶望の狭間で」です。

 

元々作品名は知っていたのですが、男の子が主人公のホビーアニメだよな?という認識しかなかったので、どう聴いても人死が出る、しかもおそらく戦いたくない相手=身内だろう、という感じの曲調であることに死ぬほど驚いて、どんな話なのかが気になりすぎてそのままゲームを買いに行きました。

クリアした後でも全く曲に負けてないシナリオというか、ああ、正にこの話のために作られた曲なのだなあということがよくわかり、一層好きになったのが数年前。

度々友人に「ほんとこの曲すごいんだよ」「ここがこうなっててさあ」という話を繰り返ししていたところ「それ一度まとめてレポートみたいにすれば?」との助言を頂き、それもそうだなと筆を執ることにしました。

 

以降、「ダンボール戦機」のネタバレ配慮一切なしの、独断と偏見による「希望と絶望の狭間で」の感想文になります。

これからプレイする予定でネタバレはちょっと という方は今のうちに引き返してください!

 

※なお、この聴き方が正解だなどと言うつもりはありません。一個人の感想です。

 

 

 

 

希望と絶望の狭間で とは

今回延々語る予定の「希望と絶望の狭間で」とは、ゲーム「ダンボール戦機(BOOST、爆BOOST含む、以下ダンボール戦機とのみ記載)」のバトルBGMの一つで、ストーリー上での最終戦、操縦者檜山蓮ことレックスの手を離れ、暴走(レックス曰く「意思を持った」)したイフリートとの最後のバトルで流れるラスボス曲(*1)です。

時間にして3分21秒、生音録音されているこの曲ですが、

 

もう ほんっとに すっっっごいんですよ!

 

 この曲の作曲者の近藤嶺さんは、他にも著名なゲーム、アニメの曲を手がけられている方なのですが、(*2)曲にお話の背景を乗せる込めるのがものすごく巧みで、拝聴するたびにこの曲が流れるのはどういうお話世界なのだろう、と思わせる曲がとても多く、どれも大好きです…が、わたしはその中でもこの曲が一番好きです。

 ダンボール戦機のサントラは、今日現在はまだAmazonにあるので持ってない方はこの機会に是非…(笑) 

  

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(*3)

 

この記事では、その「希望と絶望の狭間で」がどうすごいのかというか、曲からお話に対してこういう仕掛けがあるのでは?と勝手に想像して聴いているんですがどうですか!?というのを延々書いているだけ という 気持ち悪い仕様ですが、お付き合いいただければ嬉しいです。

 

(*1)アニメでも流れますが、イフリート撃破時ではない、かつ私がゲーム贔屓なので今回は主にゲームの場面のみを対象としたお話です。

(*2)大神、戦国BASARAファイヤーエムブレム、同じL5だとスナックワールドなど

(*3)曲名については、こちらのアルバム内から引用しています。

 

 

Little Battler eXperience と ダンボール戦機メインテーマ

 いきなり違う曲の話になるんですが(笑)「希望と絶望の狭間で」にはこれらの曲のメロディが使われているので、先にこちらをお話させていただければと思います。

 

ひとつめ「Little Battler eXperience」、という名前の曲は、毎回アニメのアバンに使われていたものです。なので、見ていた方は出だしのトランペットをよく覚えていると思います。強化ダンボールが降ってくるところの!アレ!

本作品の最大の特徴である「LBX」の名を関したこの曲は、LBXという最新鋭の技術に対する期待、そしてそれに対して蠢く陰謀、果たしてこれからどうなるのか…というような、お話の先を想像させるようなものだと私は捉えています。

 

対してふたつめの「ダンボール戦機メインテーマ」の方は、ピアノでの静かめなスタートでだんだん盛り上がっていくような曲調、最後にはラストバトルの一戦目で使われているバトル曲へと移行(…というより、メインテーマをバトル曲にしたというのが正しい言い方になるのかな?)していきます。この作中の出来事を誰か(おそらく主人公のバンくんか、その父親山野博士)が思い返しているような曲だと捉えています。また、こちらの曲はゲームのタイトル画面でも使用されています。

 

この二曲にはいくつか共通点があり「ダンボール戦機メインテーマ」の0:52からのメロディと、

「Little Battler eXperience」出だしのトランペットと同じ、OPなどの表題曲として使われている役割、など。

その役割上、どちらも作品を俯瞰して語っている曲であると感じているのですが、私の印象では「これからの未来への曲」と「回想の曲」という意味でアプローチの方向性が違うためなのか、役割もメロディも似ているはずなのにどちらもだいぶ毛色が違って聴こえてかっこいい…。

 

作品に対して最大の広告塔であるアニメで毎回使われていた、そして作品を象徴するプラモデルの名前を冠した「Little Battler eXperience」ではなく、「ダンボール戦機メインテーマ」を「メインテーマ」としている、かつ、前述もしましたが、原作であるゲームの方のタイトル画面では「メインテーマ」が使われていることから、おそらく名前の通り「メインテーマ」が全体をイメージして作られた曲であり、「Little Battler eXperience」の方はメインテーマから一部を抽出、アニメに際してワクワクするようなキャッチーな曲を、ということで練りなおしたのではないかな~と思っています。あえて核心までは語っていない構成にしているような。メインテーマも最後までは語ってないんですが!

  

そして、「希望と絶望の狭間で」に組み込まれているメロディは、「ダンボール戦機メインテーマ」のほうは3:18~、「Little Battler eXperience」のほうは1:24~(秒数については双方おおよそです)、前者は後述する中盤、後者は後半にそれぞれ使われていますが、タイトルと相俟って使われ方がこう、あますところなく最大限に活きるよう使っているというか 有り体にいうと神がかった使い方をしていて こう すごくすごい です(語彙力不足)

 

不勉強にて作曲技法には疎いので「お話を全て聞いた上でそれを練りこみ、かつ情報を絞るところでは絞って作る」ということがどれほど大変なのかは想像すらつかないのですが、この二曲があって、最後に「希望と絶望の狭間で」を流す、という構成は、曲単品でお話を読み取ることができる、オーケストラの組曲のようだなあと思っています。

 

この2曲がどのように、どのタイミングで「希望と絶望の狭間で」に登場するのかは、同曲について述べる際にもうちょっと具体的に書こうと思いますが、まずはOPにこの曲があって、そしてラスボス曲に「希望と絶望の狭間で」がある、ということをなんとな~く覚えておいていただけると、この記事の後述のところが読みやすくなるかなと思います。

 

 

ダンボール戦機のお話と、主人公山野バン、ラスボスの檜山蓮ことレックスについて

要するにあらすじです。

本編を知っている方は読まなくていい部分ですが、筆者の今日の認識を確認するという意味で記載させていただきます。

 

ダンボール戦機は、現代から少し未来。使い方を誤れば人を傷つけることもできる、未来のホビー

「Little Battler eXperience」、縮めて「LBX」が大流行している世界でのお話です。

主人公の山野バンの父、山野淳一郎はその「LBX」の開発者なのですが、開発による多忙で家に帰る日が少なくなり、そのさなかに飛行機事故で他界してしまいます。それが原因でなのか、バンの母はバンLBXで遊ぶことを禁じました。それでも、父と、父の作ったLBXへの想いを断ち切れないバンは、借りるという形でこっそりとLBXで遊びます。

 

そんなある日のこと。バンは、突然謎の女性から「この中には、希望と絶望の両方が詰まっている」と、アタッシュケースを渡されます。アタッシュケースに入っていたのは、見たこともないLBX。そこから、バンの日常は一変します。

LBXを悪用している人間がいる、それを止めるために力を貸して欲しいと声を掛けられたバンたちは、暗殺者との戦いを皮切りに、テロ組織との戦いへと身を投じる事になります。その中で明らかになる、アタッシュケースLBXが抱えた秘密と、テロ組織と政治家の企み、そして父が生きていたという事実、その父の研究を利用した世界征服の計画。

大好きなともだちが悪用されるのが許せないという小さな正義感から始まったはずのそれは、多くの人との出会いを産み、そして、死という別れと裏切りにも遭遇することになりました。

 

裏切り者の名前は檜山蓮、バンと仲間たちから見て15も年上のお兄さん。反テロ組織「シーカー」にバンたちを勧誘し、その活動をサポートしながら見守り、そして伝説のLBXプレイヤーレックスの名前も持つがゆえ、LBXを通しての師でもあるような立場の人でした。

彼は自分の家族を、一つの大事故の濡れ衣と、世間からの迫害により失っており、その復讐のためにバンや仲間たちを利用していたのだと、濡れ衣を着せた張本人にはもう手を下し、敵対していた組織をまるごと乗っ取っていたと告白します。自分たちと組織を争わせ、この世界に守るべき価値があるかどうかを見極めていた、そして「ない」と結論づけたと。だから、これから巨大ロケットを世界の歪みの中心である世界サミット会場へ落とすテロを起こすのだと。

 

ダンボール戦機のラストバトルは、この事件をへて様々なことを教えてくれた檜山蓮ことレックスの凶行を止めたいバンと、この段階に至ってもまだ人間という生き物を信じているのに、自らでは止まれなくなってしまったレックスの命がけの対決です。

 

 檜山蓮、というキャラクターというか、ダンボール戦機の、いわゆる「悪役」の大人は、三作続けて「変革を望むもの」です。レックスは、古い世界をいやというほど、そしてその仕組に対しての自分の無力を知っているからこそ、急激な変化を渇望して、道ならぬ手段へと手を伸ばす。

 

それに対して「それは違う」と言うのが、主人公である子どもたち、後作ではアラタくんであり、ヒロくんであり、そして無印ではバンくんです。

変化は必要だろう、でもそのやり方は駄目だ、人は間違えることもある、だけどちゃんと変われることを信じなきゃ駄目だと、世界を知らない子供が、「知らない」からこそ「違う、そんなことはない」と切り捨てる。

 

そういう二人の、決戦の最後の曲が、「希望と絶望の狭間で」です。

 

※あらすじについてはかなりざっくりとしている、かつ私はどうしようもないレベルでバンくんとレックス贔屓なので、もし未プレイの人が読んでいたら実際のところは自分でやって確かめてくださいね!おもしろいよ! 

  

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ここで買える!  バンくんが謎の女性から貰ったAX-00もついてくるよ!ヤッター!

バトルシステム的には後続作であるWやウォーズには及ばないと思うのですが、街中を走り回れる+カスタマイズの幅広さ、そしてシナリオがわたしは好きです。もちろんWとウォーズも面白いよ!

 

(…と、ファンとしては言い切りたいところなんですが、それぞれ結構ゲームとして癖がある方だとも思います…。わたしはフィールドは無印が一番好き、カスタマイズはWが一番好き、バトルシステムはウォーズが一番好きです。)

 

 

希望と絶望の狭間で

 -前半-(~1:22)

※秒数についてはおおよそです

 

重々しい音が今までの怒りと合わさって、使用機体イフリートの炎を髣髴とさせる攻撃的なメロディで始まります。

色で表現するなら赤とかオレンジとか黒とか。もっともこれは、戦う場所、橙に燃えるグラビティポンプ(作中の、すごく悪いものを作る機械)が印象に残っているからかもしれませんが。

少しずつ音階を上げていく曲調は、怒りの程度を表しているように聴こえます。

だんだんだんだん腹の底から沸き立つような盛り上がりは、しかしそのまま爆発することはなく、1:22で急に高い音から落下します。

 

会話からも行動からも、ラスボスのレックスが世界に対して怒っているのは明白なのですが、怒っている対象が「自分以外すべて」ではなく「こんな世の中を作り上げている一部の特権階級=システム」というのが、怒りながらも完全に理性を捨てていないというか、怒りで我を忘れる、までは行っていないんだなあ、というのがここで爆発しないのに表されているのかなあ と。

…このバトル直前の会話はだいぶ正気かなという感じではあるんですが!(笑)

今までずっと頼るものが自分の技術しかなかったのなら、生み出したものには理解して欲しいよなあ。

でも生き物を作れるのは女性と神様だけだよ…と、おもっていたら 次作で同じ名前の女性が神様連れてきてたので死ぬほどビビりました…閑話休題! 

 

-中盤-(1:23~1:48)

※秒数についてはおおよそです

 

急降下のピアノから、怒りの色がなりを潜めて悲しさを強調するメロディラインに変わります。

いわゆる泣きメロの部分というか。技術発達の影でエネルギー資源の枯渇という大きな問題を抱えたこの世界では、メインテーマの後半にもこのメロディが流れています。ホビー作品として創作されたダンボール戦機の世界の中の、明るくない不穏な部分、救われていない、発展の過程で打ち捨てられてきた部分の体現、でもあるのかな、と捉えています。

 

レックスが仲間たちのもとを離れてからラストバトルに至るまでに、何度か接触・行動を垣間見ることができるのですが、セリフの上では「この世界に守るべき価値などない」と断言しているにもかかわらず

 

  • 身内を亡くした友人を激励しに訪れる
  • 敵側の過剰な手出しは抑制している
  • これから起こす行動からの危険が及ばないであろう場所に、かつての仲間全員を閉じ込める
  • そもそも自分がそういうことをすると仲間に告白する必要がない
  • 絶好の機会にこちらの機体を破壊しない
  • 子供と一対一ならわざわざLBXで勝負する必要がない

 

などなど 行動から決断しきれていないのが見えるというか、

最後のはまあ、ゲーム上仕方ないことでは!?とも思うんですが!(笑)

設定上の矛盾というより、キャラクターの迷いに私には見えていて、それがすごく出ているのがこの曲のこの部分なのかなあと思っています。あとシステム上の問題だとはわかってるんだけど ラスボス戦でもお兄さん目線というか、こっちの命まで奪う気はないというか。

さっきの怒りは紛れもなく本物だろう、でもその下地に悲しみがあることと、言えるような性格であれば助けてほしいと言いたかったんじゃないかなあ…という後悔の色が滲んているように思います。

漫画版のレックスは「止めてほしかった」とこぼしていましたし、イフリートに宿っているのは、怒りと憎しみだけではなく悲しみもあると本人が言っていたしで、もう少し何かが違えばというやるせなさが募る…。

  

-後半-(1:48~)

※秒数についてはおおよそです

 

ここで一切なりを潜めていた高音のトランペットが、

「Little Battler eXperience」のメロディを伴って乱入してくる のが

優しくも鋭いトランペットが 悲しいメロディをシンバルで切り裂いて LBXと一緒に 来る…。

ここのメロディのおかげで私には トランペットがバンくん、バイオリンとピアノがレックスに聴こえている ので、ここからの流れはひたすら会話のように聴こえます。

真っ向からの対立ではなく、同意しつつ、同調しつつ、でもダメだと振り払って。

ここはちょっと「絶対にそうだ」と断言できるほど自信がないのですが Wのサントラでは「バンの戦い」と冠された通常戦闘曲「バトルしようぜ!」のアレンジメロディ(だと思うもの)を バイオリンが、レックスのほうが奏でるのが 本当に、すごい

お前の言いたいことはこうだろうとカウンターで返されて、さっきほど饒舌ではなくなったトランペットがだんだん押し返されていく のに 最後には、金管と弦楽器、同じ 音を 出す …

のに……バイオリンだけに戻って 終わる…

 

これもうラストバトルそのものじゃないですか!!

てなる ホントに あああ オタクの悲しい性質 好きすぎるものに対してIQが2になる…

 

ゲームだと三戦連続でバトルすることになるのですが、その途中の会話のなか、バンくんは一度も「レックスを倒す」と言わず、ひたすら「イフリートを倒してレックスを止める」としか言ってない…。

「諦めろ」と、「俺を倒して世界を救え」と突き放すレックスに対し、バンくんは「世界とレックスどちらも救う」「一緒にみんなのところに帰る」と、繰り返し繰り返し叫びます。

それが、このトランペットとバイオリンの協奏なのだろうなあと思うと 本当に すごいラスボス曲だと思う…そのものだ…。

 

この戦いを経て、バンくんに敗れたレックスは、自分こそが間違っていたとその場にいない親友に静かに笑いながら語り、そのまま果てることを選ぼうとしますが、なおも自分を連れ帰ることを諦めようとしない、15も年下の、頑固な、LBXでできた友達の、根拠もなにもない、でも力強い希望に諭されて、その手を自ら取って立ち上がります。

 

が………。

 

ここから先は 知らない方は直接確かめて、知っている方はそっと思い返してください…。

私には文字に起こせない………

BGMの名前が「友情」なのも本当に

友情に基づいた行動が アレなの なんて言えばいいの 筆舌に尽くし難い

レックス側から見たら、もう大団円、欠けようのないハッピーエンドだと思うんですが

バンくん側から見たら、

見たら………

 

ウワーーーッ 好きすぎるものに対してIQが2になる~~~!!

最後のスチルにぶん殴られた日が遠い

 

ちなみに このへんの曲の構成+台詞回し等の演出は、メディアミックス作品のゲーム・アニメ・漫画で全部違うので、ゲームの使用曲と比較してみるのも面白いかもしれないです。(漫画に曲はないのだけども!)

 

私はこう聴いてるよ!というのがあれば人様のもぜひ聞きたい曲です。

ああ~、またこのシリーズの新しいゲームやりたいな~!